貿易事務は、輸出入に関する業務を行う商社やメーカーなどには欠くことのできない専門事務です。スムーズに輸出入ができるよう語学力と専門知識を活かして業務を行います。輸出と輸入では業務の内容が異なり、輸入では輸入通関に関する書類の作成、関税や消費税の納付、輸出では輸出通関に関する書類の作成、荷物の配送の手配、L/Cの買取などが主な仕事です。
空港や港など実際に荷物が運ばれてくる現場だけに貿易事務の仕事がある訳ではありません。商品の受発注や納期のスケジュール調整などは必ずしも現場に出る必要はないため、便利に通勤できる都会のオフィス街での求人も人気です。
現在でも貿易といえば船舶での輸出入が大半を占めています。市街地からは距離のある職場も少なくありませんが、はやり潮風の吹く港にはロマンを感じる人も多く、貿易事務の仕事をしていることを実感しながら働きたい人には人気の職場です。
今までは船便が使われていた荷物でも、スピード重視で空輸が使われるケースも増えており、空港での貿易事務の仕事も多いです。飛行機が間近で離発着する制限区域内にオフィスがある場合もあり、飛行機好きの人には特に人気の高い職場になっています。
貿易事務の業務を行う上で最も重要となってくるのが語学力です。その中でも英語は必要不可欠なスキルと言えます。もちろん英語圏の国以外との取引もありますが、基本的にコミュニケーションはすべて英語で取ることになるからです。メールや電話でのやりとりにはビジネス英語の知識も求められます。さらに、国内の取引先とのスケジュールの調整や書類の作成・チェックといったスキルも必要になるので、一般事務の基礎的なスキルも身に付けておきたいところです。
給与は勤務先の場所や雇用形態によって変わってきます。貿易事務の仕事は正社員以外にパート・アルバイトや派遣社員という働き方もあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。福利厚生においては正社員が最も恵まれているケースが多いですが、給与に関しては必ずしもそうとは限りません。空港や港にあるオフィスでは24時間体制で業務を行っているところも少なくないため、夜勤専従で働くアルバイトの給与が日勤の正社員の給与を上回るというケースもしばしば見られます。給与にこだわって勤務先を探すなら、夜勤の求人にも目を向けてみるのも良いかもしれません。
貿易事務の仕事に就くためには、基礎的なビジネススキルを確かなものにしておくことも大切です。ビジネスマナー研修やパソコン研修は専門学校の講座や転職エージェントなどで受けられます。転職エージェントでの職探しを希望している人には、無料で研修を実施しているところもあるので、貿易事務に強いエージェントが身近にあれば積極的に活用してみましょう。実際に仕事で活かせる貿易実務研修は、実務経験がない人には特におすすめの研修です。
貿易事務の仕事がしたいといっても何から始めて良いのか分らない人は、まずは派遣会社に登録してみましょう。どうしても経験者が優遇されがちな貿易事務ですが、派遣会社からなら経験を積みながら将来的に正社員を目指せる仕事もあります。社会人経験が浅い、英語力に不安があるといった場合には、派遣会社のビジネス研修を受けたり、英語力の強化を目指せば応募できる求人の幅が広がります。コーディネーターに相談しながらキャリアアップが図れるのは、派遣会社ならではのメリットです。